知ってる?女性に寄り添う!日本初の膣プランナー「膣ねぇ」

大鵬薬品工業株式会社から山口明美さんに依頼をし、いただいたコメントを編集して掲載しています。

~膣内環境を整えて、女性たちのお悩みに寄り添う~
「膣ねぇ」こと日本初の膣プランナーで美容家の山口明美さんにお話を聞きました。

INDEX
なぜ膣ねぇなんですか?
おしえて!膣トレ
乳酸菌って膣にいいの?
フェムケアでやっておいた方がいいことは?

なぜ膣ねぇなんですか?

みんなに伝えるために必要だったのはインパクト

山口

「膣ねぇ」インパクトありますよね。膣ねぇというのは、まだ誰も知らないフェムケア・膣トレ・膣ケアを広めていこうとした時にちょうどコロナ禍だったので、SNS上で派生するにはなにかインパクトが必要だなということで、娘が「膣ねぇで良いんじゃないの?」と言ったことがきっかけでした。「膣ねぇ、なんか斬新だな」みたいな。ということで誕生したのが膣ねぇで、SNS用で最初は膣ねぇとして語ろうと思っていたら、知らない間に膣ねぇが定着していました。もともとは20年前から、子供を産んだ産後のケアから始めた膣トレーニングや、ヒリヒリ痛いから始めた膣ケアの仕方を、日本ではなかなかなかったので海外のものを自分で調べていたんですよ。海外の産後のケアってとても充実してて。実際、膣ケアをして良いことしかなくて、ストンと痩せたりとか、そこから太ることがなかったりとか、あとシミとかが消えて肌がすごくきれいになったりとか。ホルモンを整えたら良いことしかなかったんですね(※個人の感想です)。じゃあどうやったらホルモンって整うんだろうと関心をもつようになり、フェムケアの大切さを学びました。*3

私はずっと美容業界で働いていたんですけど、もうずっと仕事、働きっぱなしで。エステティシャンをやってたので結構肉体労働なんですよ。痩身サロンだったので、人を痩せさせると自分も痩せちゃうみたいな感じで、もう汗だくで。子供を産んでからは、助産院に通っている期間がすごい長くて、半年間は本当に週に1回くらい通ってました。ケーゲル体操(=骨盤底筋を強化するための運動)*4をやりに行ってたんですけど、身体に変化を感じ始めたのは二ヶ月目くらい。この時には産後の尿漏れはほぼなくなってきまして、でもまだくしゃみで漏れるとかは続いていて。半年くらい続けていたら、これすごくないかって自分で思ったんですよ。こんなに体って変わるの?っていう。そこが一番の驚きでしたね。エステティシャンという女性の多い職場だったのもあって、これをみんなに伝えなきゃと思いました。

おしえて!膣トレ

美容にも健康にも良いのが、膣トレ

山口

膣トレって全然まだみんな知らないし、習ったとてすぐにはできないって感じなんですよ。なので、すごく初歩的な膣トレを教えますね!

①まず膣をギュッと締めるイメージをする
②腹式呼吸で、鼻で4秒間で吸って8秒間で口で吐いていきながら、お尻をグーっと締める
③また吸うときに緩めて、吐くときに締めていくイメージを繰り返す

肛門、尿道口、膣口の各場所をイメージした10回×3セットを
呼吸に合わせて行いましょう。

膣まわりには、肛門括約筋、尿道括約筋、膣括約筋といった筋肉が集まっているんです。これは骨盤底筋群(=骨盤の底にある筋肉の総称)という名前で、自転車のサドルがあたる部分をイメージしてもらえたら!人間の身体には、腸や子宮などがありますよね。それらをハンモックのように支えているのが骨盤底筋群。腸はすごい重いんですよ。ドンって乗っかってて、かなり薄い筋肉が支えてるんです。膣トレって、自分でイメージしてトレーニングするので体を無理やり動かすようなことはないですよ。膣トレで効果がでているかを調べるために、今は病院で膣圧計があったり、あと自宅で使う膣トレの器具でも、膣圧が毎日測れるのものもあります。あとは、ケーゲルボール(=膣内に入れて膣圧を鍛えられるもの)を入れてみて落ちないかとかでもチェックできます。呼吸に合わせた膣トレを思い出したときにやってみるのが、初心者向けでおすすめです。1日どこかで5分だけ。思い出したときに座ってても良いし、寝てる状態でも良いし。思い出したらギュッと締めてみたいな。呼吸と一緒にすると自律神経も整いますし、ストレスなどの影響でなかなか眠れない人にもおすすめです。

女の子って健康になろうと言ってもなかなかやる気がでない子も多くて、でもきれいになると言ったらやる気がでるんですよ。だから私は美容で膣ケアを提唱したほうが一般の人もできると思ったんです。美容というのは健康の上にあるものですよね。だから膣トレってなに?と言われたら「美容にも健康にも良い」というワードで話してます。

乳酸菌って膣にいいの?

膣環境を整えるのは、乳酸菌

山口

そうですね!乳酸菌は「膣環境を整えること」におすすめです。もともと女性の膣内には「デーデルライン桿菌(かんきん)」という、ラクトバチルス属の乳酸菌を主とする細菌叢(さいきんそう:生きた細菌の集合体)が存在していて、これは乳酸を分泌して、膣内を酸性に保ってくれる効果があるんです*5。雑菌のほとんどは中性~弱アルカリ性を好むので、酸性の環境では繁殖することができません。乳酸菌は、細菌性膣症や性感染症、尿路感染症などにならないように働いているんです。腸内における「腸内フローラ」とよく似た働きですね。だけど、生活の乱れや体調の変化、疲れ、ストレスで乳酸菌が減ってしまうこともあって。そうすると、病気を引き起こすおそれのある悪玉菌が増えて、もともとの菌の活動の低下と一緒に自浄作用も低下するし、雑菌が侵入して炎症を起こしたり、感染症にかかりやすくなったりもするんです。だから、膣内のバランスを保つことって本当に大切なんです。手軽なところだとサプリメントで補ったりしても膣環境は整っていきます。

気になるところで、乳酸菌って腸には良いってよく聞くけど、膣内まで移動するの?臓器としては離れているのに?っていう疑問があると思うんです。実際は、体の中の細胞壁からの菌移行はもちろん、「便の粘膜移動で肛門と膣でも行き来している」という報告もあるようです。帝王切開で産まれた赤ちゃんは、お母さんの産道でいろんな菌をつけてこないので、お母さんの膣の中にあった菌をガーゼとかで赤ちゃんにくっつけてあげるというのもあります*1。(※菌移行のメカニズムは「直腸から肛門、会陰部を通じて膣へ到達する」という報告もあります。今後の研究によるメカニズムの解明が待たれます*2。)
乳酸菌は膣に良いのかって聞かれたら、膣環境を整えるのに大事なものだと思います。「飲もう!食べよう!乳酸菌!」って感じですね。

フェムケアでやっておいた方がいいことは?

すぐやってほしいことは「VIO脱毛と膣トレ」

山口

まずは、「VIOの脱毛」ですね。やっておいたほうがあとが楽なことって沢山ありますよ。出産するときも楽ですし、産後も楽ですし。あとは一番は、みんないずれおばあちゃんになって介護される側に自分もなることを考えたら毛はいらないと思います。守るところに生えてるので、生物学的には必要なんですけど。脱毛したら、デリケートゾーンの保湿はしっかり行いましょう。

保湿も沢山の商品がありますよね。どれを選んだらいいかというと、乾燥が激しい人や産後の人はマッサージを兼ねて、オイルケアがおすすめです。実はオイルって経皮吸収としては、ジェルよりオイルのほうが入るんです。水分よりオイルのほうが分子がちっちゃいんですよ。なので良いんですけど、べたつきもあるのでそれが気になったり、ショーツについたりするのが嫌だという方もいますよね。私は結構ジェルもおすすめです。ジェルで抗菌作用のあるものも今多いので匂いが気になる人は、オイルよりジェルがおすすめ。ちなみに私はお風呂上がりでマッサージするときオイルを使ったりするときもあるんですけど、ジェルのほうが意外と使ってます。そして、香りは無香料のものを選んだほうが、匂いとかで健康のバロメーターを見たりできますよ。ご自身の匂いとオイルの良い匂いが混ざったりするとなんだかわからなくなるので、香料のないものがおすすめです。

また、最後に「膣トレで血流を良くすること」もすごく大事です!血流を良くするにはなにをしたら良いかというと、筋肉を動かすこと。筋肉を動かすと熱が生産される。熱が生産されると、そのまわりの血液が流れるので、体を動かさなくてもイメージで筋肉を簡単に動かせる「膣トレが一番」です。イメージして動かすだけなら、たまに膣をちょっとギュッとするだけ。それだけで、血がいっぱいある子宮から血液がバーッて回り始めて良くなります。自分で膣トレを1日に5分でもやったほうが瞬時に血液が流れるので、臓器の体温自体はカイロなどを貼るより絶対温まってますよ。あとは、温かいものを飲んだり、お食事とかも気を使ったりすると良いと思います。

*1 Maria G Dominguez-Bello et al. Nature Medicine volume 22, pages250–253 (2016)
*2 Rosa Montella et al. Nutrafoods(2013)12:35-42
〈参考文献〉
*3若林杏樹・山口明美、なんとなくずっと不調なんですが膣ケアで健康になれるって本当ですか?、初版、P20-28、2022年
*4若林杏樹・山口明美、なんとなくずっと不調なんですが膣ケアで健康になれるって本当ですか?、初版、P126-132、2022年
*5若林杏樹・山口明美、なんとなくずっと不調なんですが膣ケアで健康になれるって本当ですか?、初版、P198-99、2022年
  • 日本初の膣プランナー
    山口 明美(やまぐち あけみ)

    エステティシャンの門を叩き、美容業界歴29年。
    社会人としてのキャリアを積むかたわら、あらゆる婦人科系の不調に悩みました。2人目の出産時には、14針を縫う会陰裂傷を経験し、産後うつや心身の回復に悩まされる日々を過ごしていた時に出会ったのが膣ケアと膣トレです。

    女性が仕事と家庭を両立する中で、必ず起こりうる女性ホルモンの変化による様々な不調や、「知らなかった」という無知による病気の発症や進行、生理痛による苦しみや辛さ、更年期で昇進を諦める悔しさを、自分の身体についての理解を深めることで自身を守り抜いてほしいと思います。

    「なんとなく」を卒業し、一生輝く女性でいるために今一番大切なフェムテックリテラシーを伝える啓発活動として様々な講演やセミナーを企業やSNSで発信しています。