生理用ナプキンの種類・正しい使い方を知ろう!

初潮(初めてくる生理)の平均年齢は12~13歳と言われ、生理が来なくなる閉経の平均年齢は約50歳。

およそ40年の間、女性は生理用品をほぼ毎月使うことになります。日本国内で主流となっている生理用品は生理用ナプキンとタンポンですが、初潮を迎えたばかりの不慣れな時期でも扱いやすいのが生理用ナプキンです。

ここでは、毎月使用する生理用ナプキンの歴史や種類、正しい使用方法などについてお話ししたいと思います。

生理用ナプキンの歴史

生理用ナプキンは、生理の経血を吸収するという目的で作られた衛生資材で、初めて発売されたのは1961年(昭和36年)でした。

江戸時代の時点では、再生和紙を生理用のふんどしで固定する方法が一般的で、大正時代に再生和紙の代わりに脱脂綿をガーゼでくるんだものが生理処理用品として使用されていました。戦時中には綿花が供給できなくなったため、紙綿と言われるしわ加工を施した紙が代用されました。戦後は脱脂綿が復活し、1950年代には初めから適した形にカットされたカット綿が販売されるようになります。

昔は女性の生理は恥ずかしいもの、隠すものという常識で、生理用ナプキンというものが開発・販売されたことは非常に画期的で革命的なことでした。以前の脱脂綿のような経血を吸収する吸収体だけの構造でなく、肌に優しい表面材、経血を外に漏らさない防漏剤を加えた3層構造になり、高分子ポリマーなど素材も研究と開発を重ねて年々改良されています。

今の使いやすく衛生的で肌に優しい生理用ナプキンが、薬局やスーパーに行けばいつでも手に入る状態は、昔の人にとったら信じられない世界でしょう。

生理用ナプキンの構造

現在のナプキンは以下の4つの材料が使われています。

1.表面材

肌に直接触れる部分で、不織布(極細繊維を絡み合わせたシート)と開孔フィルム(薄いフィルムに穴を開けたメッシュ状のシート)の2種類に分類されます。

2.吸収体

経血を吸収する部分で、綿状パルプ、吸収紙、高分子ポリマーなどが使われています。高分子ポリマーは一度吸収した経血をゼリー状にして表面に染み出さない構造になっています。

3.防漏材

吸収した経血が外に染み出さないようにします。

4.固定材

ナプキンのズレ防止のための接着面です。より固定できるようにしたものが羽根つきのナプキンになります。

生理用ナプキンの種類

生理用ナプキンには様々な種類があり、使うシーンや時間帯、経血の量や肌のコンディションなどに合わせて選ぶことができます。

経血の量や時間帯

  • 軽い日用…長さ17㎝前後で短いタイプ。経血量が少ない時や、生理が終わりかけの時に使用します。
  • 昼用・普通用…長さ20㎝~27㎝でふつう~長めのタイプ。生理1日目や、生理中盤の経血が中等量の時に使用します。
  • 多い日用・夜用…長さ29㎝~42㎝。多い経血も吸収できる分長いので生理2日目前後や長時間交換できない夜間などに使用します。

運動量

  • 羽(ウイング)付き…スポーツや旅行時など、活発に動くときにずれにくく横漏れを防ぎます。
  • 羽(ウイング)なし…活動量が少ない時や経血量が少ない時に使います。

ファッション性

  • スリムタイプ…つけてもガサガサ感が少なく動きやすいのが特徴です。薄着の時やカバンが小さい時に持ち運ぶのに便利です。
  • ふつうの厚さ…経血量が心配な時は通常の厚みが安心です。

肌のあたり

  • 不織布…ふんわりした優しい肌触り
  • メッシュ…さらっとした肌触り。

生理用ナプキンの使い方ポイント

意外と間違っているかもしれない使い方のポイントをご紹介したいと思います。

生理用ナプキンの交換は2、3時間に1回はする

生理の経血は、栄養豊富な血液から作られた子宮内膜が剥がれ落ちたものです。雑菌が繁殖しやすい温度・湿度が保たれているため、長時間ナプキンの交換をしないと、膣の入り口や膣内に雑菌を溜めて繁殖を促すようなものです

むれやかゆみ、かぶれの原因ともなりますので肌の弱い人は特にこまめな交換が大切になってきます。

交換したナプキンの捨て方

たまに駅や公共機関のトイレで見かけるのが、経血が付いている面が見える状態で捨てられた使用済みナプキンです。マナーとして、交換したナプキンを捨てる際は、経血が付いている面を内側にして丸め、新しいナプキンを包んでいた個別ラップでくるむか、しっかりトイレットペーパーでくるむなどして捨てるようにしましょう。詰まってしまいますのでトイレには絶対に流さず、専用のごみ箱に捨ててください。

まとめ

生理用ナプキンが開発されて50年以上経ちます。それまでの衛生的でなく、使い勝手も使い心地も悪かった生理用資材を知れば、今の生理用品のありがたさがよくわかります。メーカー各社で、肌触りにこだわったものや、薄さ、吸収力、パッケージの可愛さなど様々な工夫が凝らされた多彩な生理用ナプキンが開発されています。

自分の生活スタイルやシーンに合わせた生理用ナプキンを選ぶことは、憂うつな生理期間を快適に乗り越える手助けをしてくれることになるでしょう。生理用ナプキンという消耗品を選ぶうえで、値段は非常に大切なポイントですが、もし気が向いたらいつもと違うナプキンを選んでみるのもいいかもしれません。

付け心地が快適になったり、ムレ感が減るなど新たな発見があれば、今までより快適な生理期間を過ごすきっかけになることでしょう。また、最近は繰り返して使える布製のナプキンも多数販売されています。

使い捨てナプキンよりも肌に優しく、洗って何度も使えるので環境にとっては非常に優しいものになります。自分の体だけでなく、エコのことも考えてナプキンを選んでみるのもおすすめです。

参照元
一般社団法人 日本衛生材料工業連合会|ナプキンについて
エリエール|生理用品の選び方
ソフィ|はじめてのからだナビ 花王|生理用ナプキンの断面図と表面材の役割

出典:いしゃまち
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